明日の蒼の空
三月二十日の夜、家族三人で外に出て、家の近くのポプラの樹の前に立った。
今夜はおもいっきり夜更かし。
いつも十時に寝ているりさは、眠たそうな顔をしている。
「あと五分くらいだから、頑張って起きてましょうか」
夏美さんが腕時計を見ながら言った。
私もすぐに自分の腕時計を見た。十一時五十五分だった。
あと五分間ほどで、すぐ目の前に立っているポプラの樹が桜の樹に変身する。
どのように変身するのだろう。瞬きをしている暇はない。私は大きく目を見開いて、ポプラの樹をじっと見つめた。
「あっ!」
私は驚きの声を上げた。
空に向かって真っ直ぐに伸びているポプラの樹の葉が一斉に散り始め、あっという間に丸坊主になった。
地面に数え切れないほどの葉が落ちている。
私が驚いている間に、太い枝も細い枝も一斉に曲がり始め、ほんの一瞬で、桜の樹に変身した。
確かに桜の樹。どっからどう見ても、桜の樹。他のポプラの樹も、いつの間にか、桜の樹に変身していた。
信じがたい光景に、ただただ驚くばかり。今にも目玉が飛び出しそう。
りさは一気に目が覚めたようで、口を開けながら、桜の樹を見つめている。
現実なのかどうか確かめるため、夏美さんにほっぺたをつねってもらった。すごく痛かった。
「再来週の日曜日にでも、みんなでお花見に行きましょう!」
明るい声で言った夏美さんは全く驚いていない。
私とりさは驚きっぱなし。
今夜はおもいっきり夜更かし。
いつも十時に寝ているりさは、眠たそうな顔をしている。
「あと五分くらいだから、頑張って起きてましょうか」
夏美さんが腕時計を見ながら言った。
私もすぐに自分の腕時計を見た。十一時五十五分だった。
あと五分間ほどで、すぐ目の前に立っているポプラの樹が桜の樹に変身する。
どのように変身するのだろう。瞬きをしている暇はない。私は大きく目を見開いて、ポプラの樹をじっと見つめた。
「あっ!」
私は驚きの声を上げた。
空に向かって真っ直ぐに伸びているポプラの樹の葉が一斉に散り始め、あっという間に丸坊主になった。
地面に数え切れないほどの葉が落ちている。
私が驚いている間に、太い枝も細い枝も一斉に曲がり始め、ほんの一瞬で、桜の樹に変身した。
確かに桜の樹。どっからどう見ても、桜の樹。他のポプラの樹も、いつの間にか、桜の樹に変身していた。
信じがたい光景に、ただただ驚くばかり。今にも目玉が飛び出しそう。
りさは一気に目が覚めたようで、口を開けながら、桜の樹を見つめている。
現実なのかどうか確かめるため、夏美さんにほっぺたをつねってもらった。すごく痛かった。
「再来週の日曜日にでも、みんなでお花見に行きましょう!」
明るい声で言った夏美さんは全く驚いていない。
私とりさは驚きっぱなし。