明日の蒼の空
 緑の草原の中にぽつんと佇んでいる小さな駅。

 東ひまわり駅より遥かに小さい。

 駅舎も屋根もベンチもなく、手造り感の溢れる木造のホームの上に、御手洗と書かれた駅名標があるだけ。

 行き先は書かれていなくて、時刻表もない。

 我が家しかいない、ホームの長さは、二十メートルくらい。幅は、三メートルくらい。

 歩くと、ギシギシ音が鳴る。

 ホームに止まっている一両編成の電車も、いかにも手造りといった感じ。遊園地やテーマパークにあるような電車を、二回りくらい大きくしたサイズ。

 車両の中央に通路があり、左右の窓側に二人席が五列ずつ並べられていて、後方部にトイレとシャワー室がある。

 線路の周りの草が綺麗に刈られていて、枕木の上にレールが敷かれている。

 どうしてこんなところに駅が? いったい誰が何のために? 首を傾げながら考えていたところ、電車の運転席から、紺色の制帽を被った制服姿のおじいさんが降りてきた。
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