明日の蒼の空
第3章 頑張れ自分
 トントントントン。という音を聞いて目が覚めた。

 枕元に置いてある目覚まし時計を見たら、六時二十一分だった。

 こんな朝早くから、何をしているのだろうと思い、ベッドから起きてキッチンに行ってみたら、夏美さんがエプロン姿で料理をしていた。

 今まで一度も見たことのない光景。

 脱衣場の方から、洗濯機の音が聞こえる。

「蒼衣ちゃん、おはよう」
 明るい声で挨拶してくれた夏美さんは、今日も朝から元気な様子。

「夏美さん、おはようございます。今朝は早いですね」
 なんだか嬉しくなった私は、いつもより大きな声で挨拶を返した。

「たまには早起きしないとね。蒼衣ちゃんは椅子に座ってて」

「あ、はい」
 起きたばかりの私は、パジャマ姿のままでダイニングの椅子に座った。

 新聞は読んでいないけど、なんだか夏美さんの旦那様になったような気分。
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