運命を知らない占い師
少年の未来
告げられた未来
「貴方の、未来が見えない」
小さな薄暗い部屋の中、占い師に言われた言葉はそれだった。
目の前の、口元しか見えないような濃い紫色のベールを被った女をじっと見つめる。
「未来が見えないという事は、貴方は時期に死ぬという事。短い人生を謳歌するといい。では、次の方」
簡単な説明だけし、占い師は青年、というのにはまだ早いような少年を追い出そうとする。
「そう…ですか…」
少年は素直に立ち上がりお礼を言おうと占い師を見、
「ちょ、ちょっと待って!僕は死ぬの?!いつ?!どこで?!どうやって?!」
言葉の意味を理解し、我に帰りそう叫ぶと、占い師は不気味に笑った。