熱愛系エリートに捕まりました
「瞳子、どうした?体調悪い?」


眉を下げた表情で顔を覗き込まれ、ハッと我に返った。

帰宅するため、車に乗り込んだところだった。

どうやら思考の波に引きずられて、随分ぼんやりしていたらしい。


「ごめんなさい、ちょっと考え事してて」


笑ってみせるが、彼の顔は晴れず。


「ごめんね、俺の買い物に付き合わせたせいで疲れさせちゃったかな。それとも食事が合わなかった?」

「いえ!あの、本当に大丈夫です。ご飯も美味しく頂きましたし」


横から身を乗り出してわたしの顔を覗き込みながら、大袈裟なほど気遣ってくれる。

だから慌てて首を横に振ったのだけど、薬師丸さんは未だ探るように見つめてくる。


「本当に?」
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