初めての甘い恋人
カイルが所属している事務所が入るビルに、自宅もある。


ビルの地下駐車場に車を停め、エレベーターへ向かう。


事務所は39階で、カイルの自宅は52階。乗るエレベーターが違う。私たちはそこでわかれる。


「私、事務所にいるから何かあったら連絡して」

「わかった!アリアも仕事終わったら帰ってこいよ!」

「うん。ちゃんと寝てね!」

「わかってるって!あっ!きたな。じゃぁ、無理するなよ」

「了解~!」


私たちはお互いに到着したエレベーターに乗り込む。私が姉なのにカイルにお世話になりっぱなしだな…。


私の家はこのビルとは別のところにあるけど、少し距離があるためなかなか帰れてない。


カイルの家が事務所と同じビルだから、自然と泊まるようになった。というより、もう住んでいる…。不甲斐ない…。


カイルからは、引き払って一緒に住もうって言ってくれてるけど、なんだか申し訳なくて…。姉としての強がりだ。


仕事では私がマネージャーなのに、プライベートではカイルがマネージャーみたい。というか、彼氏か……。


カイルには彼女がいない。好きな人もいないって言ってたな…。引く手あまただろうに…。私のせいかもな……。


重ね重ね、不甲斐ない姉だ…。



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