君の世界に彩を。
藍色のソラ
「おい霧崎ー!今日も遊ぼうぜぇー」
放課後、帰ろうとしていた私を里中剣斗が引き止める。その隣には、自分の机の上に座って足を組んでいる相澤萌菜もいる。
私は、はぁ、と心の中だけでため息をついた。
里中と相澤は、いわゆる“不良”っていうヤツだ。
さらに、この2人は不良グループのリーダー格。
ちなみに私も、このグループに属している。
高校に入ってから仲良くなったのだ。位は低いけど。
最初の方はみんなで夜中まで遊びまくって楽しかったけど、最近は毎日の様にカラオケ行ってゲーセン行ってで、さすがに疲れるし、飽きてきた。
でもそんな事言ったらいじめられかねない。
だから、帰りたいという気持ちを抑え込み、笑顔で振り返る。
「いーよ!今日あたしテンション高いからカラオケでオールしちゃう?」
なるべく里中と相澤の機嫌を損ねないように答える。
私は冗談のつもりだったのだが、2人はそれをホンキにしたようで、
「じゃあ真里菜と舞も誘お!」
と言われてしまった。
里中は、
「カラオケに直で集合でいいよな。俺、桜田誘ってそれまで遊んでっから。」
と、教室を出ていく。
坂本真里菜と原田舞、桜田凱士も不良仲間だ。
「さ、あたしたちも行こッ!」
相澤が駆け寄ってきて、私の肩に腕を回した。
「そだね。今日は6人?あたし予約しとくけど。」
私はスカートのポケットから、スマホを取り出した。
「うーん...あ!神崎さんも誘ってあげよ!だから、7人ね!よろ~♪」
神崎琳音は、このグループではかなり低い位に属する。
相澤は、神崎をパシリとしていいように利用しまくる。
きっと今回誘ったのも、ジュースを取りに行かせたり、お金を払わせたりするんだろう。まあ、ほとんどいじめ状態だ。
私は、アプリでササッと予約した。
「予約しといたよー」
「ありがと!じゃ、あたし真里菜と舞誘ってくるから、颯は神崎さん誘ってきてよ」
嫌だ、とは言わせない目つきで、相澤は私に頼んだ。
私は仕方なく、「分かった」と答え、神崎がいると思われる美術室へ向かった。
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