独り占めしてもいいですか…?【完】
大勢の女の子たちに囲まれ、黄色い声を浴びているのは、葉山千景。









私の幼馴染であり、私の好きな人。









千景とは幼稚園の頃からの仲で、家が近いこともあり、よく二人で遊んでいた。





この春、私たちは同じ高校へと進学し、偶然にもクラスまで一緒だった。





クラスが一緒になれたことは、嬉しかったけど…





「千景くん、毎日毎日女子たち相手にして疲れないのかな」





「分かんない…でも、千景は誰にだって優しいから」





千景は高校に入学してあっという間に、女の子たちの人気者になった。


中学の頃もかなりモテてたけど…

今じゃ中学の頃と比べものにならないくらいモテモテだ。





「…王子ってあだ名がつくくらいだもんね。あははっおもしろい」


「はるちゃん~…笑いごとじゃないよ~」





千景が知っているか分かんないけど、女の子たちの間では千景のことを王子と呼んでいた。





千景は誰にだって平等に優しくて、いつもクラスの中心にいる。





おまけに、無駄にかっこいいし、身長だって高い。





そんな千景がモテないはずないもんね。
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