独り占めしてもいいですか…?【完】
星くんって確か、中学の頃は陸上部だったよね。


…はるちゃんと一緒の。





星くんも足速そうだし、千景といい勝負になるよね。





星くんにも頑張ってほしいけど、やっぱ1位には千景がなってほしいな。





「そうだな。絶対星だけには負けたくないなっ。そんで、俺が1位のゴールテープも切る!」


「千景、アンカーやるの?」


「そうだよ!俺がメンバーの中でタイムが一番速かったんだ」





えっ…すごい…


千景ってほんと、なんでも出来ちゃうよね。





千景のそういう器用なところ、羨ましい…





「美生…ちゃんと俺のこと見ててよ?」





「へっ?あ…うん!ちゃんと見てるよ!応援頑張るよ!」





そう言うと千景は嬉しそうに笑顔を見せた。





千景の笑顔を見ると、私まで嬉しくなっちゃうよ。





今この瞬間にも、千景への思いがどんどん溢れていく。





昨日よりも今日よりも、一分一秒、千景のことが好きになる。









きっと千景以上に好きになるものなんて、一生出会わないだろうな…
< 53 / 294 >

この作品をシェア

pagetop