独り占めしてもいいですか…?【完】
今度星くんに会ったら問い詰めないと!





「ま~…でも、そのおかげで勝てたようなもんなんだけどね」


「…?どういうこと?」





頭にハテナマークを浮かべ、首を傾げた。





すると、千景は少し恥ずかしそうに言った。





「…美生の声が聞こえたんだよね」





「へ…」





それって最後のコーナーのところで、つい叫んじゃってたとこ?





「美生が俺に、頑張れって応援してくれてるのが聞こえてさ。それで、絶対勝ちたいって思ったら自然と足が速くなってたんだ」





「そうだったんだ…」





私の声…ちゃんと千景に届いてたんだ。





「美生にはカッコ悪いとこ見せられないしね」





そう言って千景は照れくさそうに笑っていた。
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