常識ナシの竜人サマ!
「それではラフィット、あなたにとって私は望まれた者ではないと?」


 優雅に口元を抑えて『せっかく来てやったのにその言いぐさはないだろう』と牽制すれば、ラフィットもそれに応える。


「ええ。そもそも人間などをこの王宮に入れることすら汚らわしい」


 二人は口元に微笑をたたえながら、けれど目はまっすぐに相手を睨みつけて笑い合った。


 さて、フェニルは彼の態度に不満を持たぬ訳ではない。だがラフィットの言うことにも共感できる自分がいる。フェニルだって公爵家へ竜人が入ったなら同じように思った。


「お、おい。ラフィット……」


 ジュークはラフィットの無礼な態度に驚きつつも叱責したが、フェニルは「良いのです」と遮る。


「余所者で、種族も違うような者を受け入れられるような心の広い方ばかりでないのは予想していませんでしたもの……」


 儚げにつぶやいてうつむく。ついでにラフィットへの皮肉も忘れずに。それを見たジュークは慌ててラフィットに謝罪をするように促した。その時のラフィットの苦々しい顔を見てフェニルはしめしめとほくそ笑んだのだった。
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