ただ、守りたい命だったから
「こらこら。須藤キョーダイ、薺泣かすな。しかし、須藤さんいなくなってから情けなくなったと思ってたけど、はなから情けなかったのな。」

「いや、主任も結構辛辣ですから。」

朝霧主任の言葉に、寧々が突っ込む。

『ぷっ。』

おもわず吹き出しちゃった。

何なの、この会話。

『夜、バーベキューしようと思ってたんだけど、二人も一緒にする?』

話題を変えようと、薺と朝霧主任に聞いてみる。

「うん。」

「須藤さんがよかったら。」

『朝霧主任、須藤さんってやめません?ここに須藤さんは三人いるんですよ。潤でいいですよ。弟は櫂琉で。』

「ああ。じゃあ、潤ちゃんと櫂琉くんで。オレももう潤ちゃんの上司じゃないし、下の名前で呼んで。覚えてる?」

それもそうだ。

『はい、迅(じん)さん!』

「くんの方がいいなぁ。」

『じゃあ、迅くんで。』

「二人仲良すぎだ。」

拗ねてる大人ひとり。

『じゃあ、薺バーベキューの用意手伝ってくれる?』

「ああ、手伝うよ。」

それはそれは嬉しそうに、ニッコリ笑顔になった。

「ちょろいな…。」

「まさかの尻に敷かれるタイプ…!」

「潤、好きなタイプ変わったな…。」

迅くん、寧々、櫂琉がそうつぶやいていた。
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