ただ、守りたい命だったから
『えっ?そうなの?じゃあ、その友達にも今回会ったの?』

「明日会って、また断るつもりだったけど受けるよ。ここに呼んでもいいか?潤にも会ってほしい。」

『うん。薺がそれでいいなら。』

「で、潤?返事まだなんだけど。」

『えっ?』

「プロポーズ。」

あっ、されたこと忘れてた。

「蓮城潤になってくれるか?」

伺うような不安そうな顔。

プロポーズがそんな情けない顔なんて…って、思うけど。

今の方が好きだなって思えた。

無口でカッコつけてた頃よりずっといいな。

『はい、お願いします。』

「……ほんとか?!いや、ウソでももう離さないけど!やった!」

力強く抱き締めてくる薺の腕の中。

また戻れるとは思わなかった。

じんわりあったかい。

なんだか慈季と同じあったかさ。

「あんな不安そうな顔でプロポーズ…って。」

「あの情けない顔がいんじゃねぇの。なりふり構ってない感じで。」

「慈季~、お前のパパ、あんなだけど慈季は似るなよー!」

寧々、迅くん、慈季を抱っこした櫂琉が覗いてました。
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