ただ、守りたい命だったから
「やっぱり薺の彼女って、潤だったか。住所聞いてもしかしたらと思ってたんだけど。」

『きぃちゃん!』

「えっ?知り合いか?」

サラサラ金髪ハーフの最上綺壱(もがみきいち)が、いつも通りズカズカと家に入ってくる。

パパが日本人、ママがアメリカ人のハーフで、高校から一緒だった友達。

きぃちゃんは高校の時、日本からハワイに引っ越してきたの。

『高校の時からの友達。きぃちゃんが薺誘ってたの?』

「ああ。てことは、答えはやっとyesだな!」

「よろしく、綺壱。」

「こちらこそ。しっかし、探してたの潤だったんだな。電話でその会話してたとき、名前聞いとけばすぐ見つかったんだな。だって、潤が隣にいたときもあったぞ?」

「マジ?!」

「潤なんて変わった名前すぐわかっただろうしな。」

「まさかハワイとは思わなかったし。」

確かに。

世間は狭いわ。

「あー、でも、これで謎が解けた!慈季が誰かに似てるってずっと思ってたんだよ。薺まんまじゃん!」

その言葉にニコニコ顔の薺。

よっぽど嬉しいのね。

『きぃちゃん社長、うちの旦那さんよろしくね!』

「おお、任せとけ!ついでにうちで結婚式プランもたてるか?」
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