恋した相手は?!


ガラガラガラっ―

「失礼しましたー」

ふぅー、やっと終わった日直の仕事。


「お疲れ様、陸翔。やっと帰れるね」

「あぁ」

あくびをしながら返事をする陸翔。

その格好でさえ様になってるなんて恐るべしイケメンよね……。


靴箱で靴を履き替える。

陸翔は先にスタスタと行ってしまった。

私も早く帰ろうっと。

お腹もすいたしね!!

今日の夜ご飯はなにかな〜。ハンバーグとかだったらテンションあがるな〜。


なんて呑気に考えてたら、校門に人影を発見。

……ん?誰だろう、こんな時間に校門に人?生徒かな?


「あ、あれ…?」


そこにいたのは、さっきスタスタ行ってしまった陸翔。

帰ったんじゃ、なかったのかな…?


私は疑問に思ったので素直に陸翔に聞こうとしたとき、


「帰るぞ」


「え?あ、う、うん」


もしかして私のこと待ってたのかな?


「なに?陸翔、一緒帰るってこと?なら靴箱から一緒に行けばいいのになんで校門なのよ」


べつに一緒に帰るとか今まで何回もあったのに。


「特に理由ないけど。てか早く帰ろうぜ」

??変な陸翔。まぁいいか!帰ろう。暗くなってきたし。


私たちは帰り道を歩く。

わりと家が近い私たちは同じ方向。

徒歩通学だから学校と家までの距離もそこまで遠くない。


「相川」

「ん?わ、ひゃあ!」


名前を呼ばれたかと思うと陸翔は、いきなり腕を引っ張った。


「ちょ、なにすんのよ急に!」


「後ろから自転車来てんだろーが」


「あ……」

「それと、車道側。危ねーからこっち側歩け」


そういう、ことか。

なになに、優しいとこあんじゃん。

< 4 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop