そのイケメン、オタクですから!
「2年3組って有名なの?」という私の声と「私達も行こ」というよっちゃんの声が重なった。
「イケメン揃いで有名なクラスでしょ。
特に生徒会の及川悠斗って先輩、次期会長候補って噂で騒がれてるしお祭り騒ぎも好きみたいだから見ごたえありそう。せっかくだし見に行こうよ」
バイトばっかりで学校の事にはあんまり詳しくない私に、よっちゃんが教えてくれる。

こげ茶のロングヘアに小動物みたいなくりんとした瞳。守ってあげたいタイプだよな、ってよく言われる彼女は大人しそうに見えて意外とミーハーなところもある。

薄暗い体育館に足を踏み入れると、ステージ前には女子ばかりが押し寄せていた。
なんだかすごい雰囲気。

舞台の上からレッドカーペットが敷かれていて、入り口近くまでモデルウォークがあるらしい。

意外と本格的になってて驚く。

午前中に体育館に来た時の出し物といったら退屈な演劇と吹奏楽の演奏。
この学校の文化祭へのやる気を表すような気の抜けたものだった。

アイドルのコンサートみたいな熱気にちょっと気おくれしながらも、ステージに近づく。
いつもメイドカフェで踊ってるからじゃないけど、派手なことは好き。

楽しいことも好き。
この格好しててなんだけど、学校生活少しでも楽しみたいよね。

拍手の中一人ひとりステージに現れランウェイを歩き始めた。

初めは体操服やうちの学校の制服をアレンジした生徒たちだ。

この学校の制服は灰色のブレザーに灰色のスカートとズボン。
男子は紺のネクタイ、女子は同じ色のリボンを首につけることになっている。

ブラウスとシャツは白の学校指定で、靴下は白と決まっている。
指定のハイソックスは脚が太く見えるから皆履かないけど、白は守ってる。
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