そのイケメン、オタクですから!
第5章 彼と彼女の告白

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翌日からはテスト前で生徒会活動が休みになって、バイト以外は毎日先輩と勉強した。

勉強中は厳しいけどそれ以外は優しい。

嬉しいことに健くんとよっちゃんも付き合うことになって、勉強の後は健くんの定食屋さんで4人でご飯を食べる。
先輩の自宅からは遠いはずなんだけど、留愛を送って行きたいって言われちゃうんだよね。

……バレンタインから、留愛って呼ぶようになった及川先輩。

「悠斗って呼べよ」って言われるけど、私は恥ずかしくてとても無理。

先輩は付き合ってることを隠す気もないみたいなんだよね。
私としては女子達の視線がとっても痛いんだけど。

「俺、ほんふぁいはひける気がする」
ハムスターみたいにメンチカツを頬張りながら健くんが言う。

健くんの頭を軽くはたいて、「食べてから喋りなさいよ」とよっちゃんが呆れ声を出す。
ごくん、と喉を鳴らして「今回はいける」と健くんが言い直した。

「何が?」
尋ねた及川先輩に健くんが答える。

「テストだよ。補修はないとみた」

……こないだおじさんに赤点なんてないって言ってたけど、やっぱり今まで取ってたんじゃない。

「当ったり前でしょ。誰が教えてると思ってるのよ」
よっちゃんが豆腐ステーキをつまみあげて、及川先輩みたいなことを言った。

「お前も大丈夫だろうな?」
及川先輩に睨まれて「だ、大丈夫……だと思います……」と私は答える。

先輩の宿題はちゃんとこなしてるし、40番以下にはならないと思うんだけど。
……多分。

「だからさ、テスト終わったら皆で遊びに行こうぜ」

まだテストは始まってもないのに、終わった時の事ばっかり考えてるのが健くんらしい。
でも辛い時こそ楽しい事考えないとね。

楽天家の私もその意見には賛成。
「うん、行きたい」ってすぐに乗っかっちゃう。

「私も」とよっちゃん。

付け合わせのキュウリの酢の物を口にして「いいけど」と及川先輩も誘いに乗った。

「じゃあさー、映画行こうぜ。3月公開のメイド服と散弾銃の最新作! 3年ぶりの新作だもん。俺絶対見たいんだよな」
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