ラズベリーな恋模様(A・T)



年下だから、嫌い。
年上だから、不安。

でも、それって結局の所、お互いを心から信じられていないから思っちゃうんだよね。
年なんて、関係ないんだよね。


「ねえ、ルリちゃん」
「ん?何?」
「好きだよ」
「ほえっ!?」

渉くんは突然告白した後、あたしに抱きついた。


「ちょい、やめっ…」
「……大好き」
「……っ!!」


あたしは、渉くんの胸を押し返している手を引っ込めた。

そして、微笑む。



やっぱり、あたし達にはこのくらいが丁度いい。


“ルリちゃん”って呼ばれることも。
毎日付きまとわれることも。
生意気言い合って喧嘩することも。
好きっていきなり言われることも。

それが、“あたし達”なんだから。


年下は嫌いなの。
だけど、君は、大好きなの。





【脱☆年下系男子】
< 42 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop