♪君のメロディー♪
『LL』
春がOKを出してから、私達2人はライブハウスに連れてこられた。

春「ここでやるの?」

秋「おう!」

凜「…私は何をするの?」

秋「あ、そうそう。それは、凜が歌で、春賀がダンス。」

呼び捨てだし…。

ま、それは置いといて…

凜「うたぁーーーーー!?」

奏、秋「うん。」

冷静に返された…。

春「ほぇー!私、ダンスかぁ」

秋「おう、教えるから…。見てて…!」

そう言って、2人は踊り始めた。

奏「じゃあ、凜、歌って。」

凜「…!?」

凜「いきなり!?」

コクッ

『音程とってるから』と言って、奏は手でリズムを作り出した。

私は、さっき渡された歌詞を見た。

あれ?この歌って…

そう思った私は、いつの間にか歌い出していた。

♪今夜だけでもいいから 君のそばにいさせて…

 そう願い 僕は涙流す… ♪

しーん…

秋「…うまっ!めっちゃ、うまいじゃん!」

凜「え、あ、ありがと…。」

私は戸惑いながら言う。

秋「…この歌な、奏が作ったんだ…。」

え、すごっ!

あぁ、でも、確信を持てた。

奏「…意味は、今夜だけ君のそばにいさせてほしい。
  僕には時間が無いから…。少しでも君のそばにいたいと願い、
  涙を流す…。」

意味も一緒か…。

凜「LL…。」

3人「え?」

こっちを見る3人。

凜「奏と秋君は、今、有名なLLの『kiNA』と『アッキー』じゃない?」

春「え!?」

2人「…。」

奏と秋君は、驚いているのか、目を見開く。

春も驚いている。

そりゃ、そうだ。

だって、ししといったら、顔も本当の名前もわからない、不思議に包まれている人達だから…。

奏「よく分かったな…。」

凜「うん。」

バタバタバタッ!

なんか、騒がしい。

そう思ったら…

バンッ!

ドアが急にあいた。

男「2人共、そろそろだぜ!」

2人「おう…。」

男「あれ?この2人、新しい子?」

男はやっと、私達に気付いたのか、こっちを見た。

秋「そう!楽しみにしてて!」

男「へー、ま、楽しみにしてるぜ!」

…嵐が去ったみたいだな…。

秋「よし!行こうぜ!」

えっ!やばい、緊張する…!

私が緊張している事に気付いたのか、奏は優しく声をかけてくれた。

奏「大丈夫。凜のやりたいようにやれ。」

その言葉に緊張がほぐれ、リラックスできた。

秋「行くぞっ!」

3人「おぉ…!」

そして、私達はステージに立った。

奏と秋がリードしてくれたおかげで、自己紹介なども上手にできた。

その後、ついに、歌うときがきた。

いつも、奏のギターの『ジャン、ジャン!』から始まる。

今日もそうだ。

私が歌い終わった後とほぼ同時に、

ワーーーーーーーーーーー!!!

大歓声が聞こえてきた。

奏「やったな、凜!」

そう言って、奏は私に笑顔を向けてくれた…。
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