俺様副社長のとろ甘な業務命令
やっぱりこれは夢なんじゃないのか。
そんな疑心を抱きながら会議室のドアを押し開ける。
薄暗い部屋へと一歩足を踏み入れた時、中へと引きずり込まれるようにして腕を引かれた。
「きゃっ!」
背後でバタンと重いドアが閉まる。
腰に手を回して引き寄せられ、そこに見上げた顔にまた時が止まってしまったような感覚を覚えた。
「どう、して……」
聞きたいことがたくさんある。
でも、それを上回って目の前にいる姿が信じられない。
密着したスーツの胸元に手を置いたまま、ただ驚いた眼差しで顔を凝視する。
そんな私の視線を受けて、副社長は何がおかしいのかプッと吹き出した。
「何でいるんですか? 今頃、雲の上のはず」
「こっちに残れることになった」
「え……」
「まだ仕事も途中だしな」
「そう、ですけど……」
急な展開についていけない私は喜ぶより戸惑うばかり。
それが不満だったかのように、副社長は顎を掴んで私を上向かせた。