私の彼氏は超肉食系

救急医の副業

『はい。カットー。一発終了です。』

「ゴメンゴメン。大丈夫だった?」

月9ドラマの収録が行なわれている。

私は医師免許取れたての救急医という設定らしい。

動脈瘤破裂の患者に向かってメスを入れたシーンを撮っていた。

噴出した血が執刀医の顔を真一文字に横切るという過激なシーン。

普通なら避けるところを無表情に受け止め、間一髪で患者を助けたということらしい。

「よかったよ。その美しい顔が血に染まっても微動だにせず無表情のところがとってもよかった。」

バラエティー番組で『男性の欲望』について答えた際に無表情だったことがドラマの主役に抜擢された原因らしい。

あのときは、その場のスタッフ全員を軽蔑していたから、表情が消えただけ。

「ありがとうございます。」
< 105 / 307 >

この作品をシェア

pagetop