私の彼氏は超肉食系
「それ、他の男のバイトに言っていいですか?」

「止めてくれ。店が潰れる。」

一応、悪いことをしている自覚はあるらしい。

「そうそう。例の大河ドラマの監督はゲイだそうですよ。いきなり、演技指導と称して、お尻を撫で回されたそうです。」

こっちの気も知らないで、彼はそんなことまでSNSで報告してくる。

「カー・・・、あの業界多いからな。気の毒に・・・。」

この店長、実は俳優を志していた時期があったらしい。

「気の毒なんでしょうですか。裕也のことだから、お代わりを要求したんじゃないのかな。」

こっちも触ってほしいとおねだりする裕也の幻影が見える。

「お前、裕也のこと。どんなふうに思っているんだよ。」

「えーっと。欲望を満たせれるのならば、どんな小さなチャンスも見逃さない人間。」

私は率直な感想を返す。

「は・は・は・・・否定できねぇ・・・。それにしても、お前裕也に厳しすぎじゃないか? 元々割り切った付き合いで手切れ金も貰ったんだろ。少しくらい応援してやれよ。」
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