毒舌プリンスの甘いささやき【完結】
密室
光君がリビングに戻ってくる。
私は、テレ隠しもあって、どうかな?というように両手を広げた。

「ヤバ・・」

光君は、片手で顔を隠した。
指の隙間から、伏し目がちの茶色い瞳が見えた。


「座ってください」

ペタン、と床に座る。
光君はすぐ後ろのソファに座り、後ろから私の髪の毛を拭きはじめた。

『いいよ、自分でやれるから』

「いいから、じっとしててください」

抵抗するのも
拗ねるのも、ゴネるのも疲れた私は
なすがまま、光君に髪の毛を拭かれていた。

光君が入れてくれたミルクティーのいい匂いが
部屋いっぱいに広がる。
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