如月探偵事務所‼︎①〜謎の力と仲間達〜

秘密の仲間

ふわふわのフレンチトースト

お母さんのフレンチトーストは
どこのフレンチトーストよりも美味しい

私はいつもそう思う。


「お母さんお店出しちゃえば?」

私は口へ運ぶのをとめずに
そういった

「それはさすがに褒めすぎよ」
お母さんはそう言うと
席から立ち上がり
空いてる皿を片付け始めた


「えー!本当なのにっ」
でもみんなに食べさせずに
独り占めしたい気持ちもあるなぁ


黙々と食べ続ける


あっそう言えば
記憶どうやったら戻るのかなぁ


やっぱり
所々切り取られたように
思い出せないんだよね…

最初は本当に混乱状態で
何にも覚えてなかったけど…

部屋の物とかは大体覚えてたし


まぁそれは後でっ
今はこの至福の時を…っ

「さなぁぁぁぁぁぁぁぁ」

大きな叫び声と共に
バンッとら
勢いよくドアを開けられた

そして
息を切らしながら
必死な顔で私に飛びついてきたのは
幼馴染で隣の家の翔だった

「おね…はぁ…がいだ…はぁ
今すぐ…はぁはぁ…ゴホッゴホッ」

「え!ちょっと大丈夫?!」

「俺は大丈夫っ…
だけどヤバイ。来てくれっ…」

やっと言葉を振り絞ったかと思うと
玄関へと私の背中を押す

「えっちょっ待ってよ。
どこに行くの?!」

律儀に靴を履きながら言うと

「話はあとだ走るぞっ」

私の手を取り走り出した



一体何処行くの?
翔足早い…
私まだ病み上がり…



翔に置いていかれないように
懸命に走りながらも
やっぱりスピードについて行けないでいた

「わりっスピード少し落とすっ」

「えっ?」

私が着いてこれてないのに
気がついたのか
翔はそう行ってスピードを落としてくれた




でも。
翔の左手は私の右手を
変わらずに強く握っていた
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