明日になればきっと

日常

━キーンコーンカーンコーン━
お昼休みのチャイムがなる。
「遥華行ってくるね!」
「行ってらっしゃい」
そう言って教室を飛び出す。
奏斗先輩とは学年も違うし校舎も違うからこのぐらいしか会いに行けない!
桜ヶ丘高校は普通科と特進科に別れてる。
普通科にはメイクしてる子とか制服着崩してる子が多くて、特進科には逆にそう言うと子はいない。
だから奏斗先輩もきっと普通科なんだろう!と思って探したけど見つからなくて、先生に聞いたら奏斗先輩は特進科だった。だから学校出会うことなんてほとんどないんだ。
だから唯一長いお昼休みが奏斗先輩にあいにいけるチャンスってこと!
「かーなーとせーんーぱーい!」
そう言って奏斗先輩のクラス、2年A組に叫ぶ。
あれ?いない。
「奏斗はトイレだよ〜」
後ろから声が聞こえて振り返る
「宮先輩!」
───宮 蓮輝 (みや はずき)
奏斗先輩といつも一緒にいる先輩だ。
「仁奈ちゃんは今日も元気だなぁ」
「えへへ。奏斗先輩に会えるので!」
「いいな〜奏斗は、こんな可愛い子から好かれてて」
えぇ、?!
「いや、可愛くなんてないですよ!!」
可愛いなんて、そんなことあるわけがないっ
それに奏斗先輩は私のことすごく迷惑がってるしね(汗)
「俺にすればいいのに〜」
そう言ってニコッとしながら私の頭をポンポンとする宮先輩
わわっ。顔が近い。。
「なにやってんの?」
――――――――――――ドキンッ
後ろから聞こえてきた大好きな声
「奏斗先輩!!おかえりなさい!」
「・・・」
私の事を無視して自分の席に座る奏斗先輩。
「おいおい、無視はひどいって奏斗!」
「蓮輝には関係ない」
「あ、大丈夫ですよ!宮先輩!!」
そう言って奏斗先輩のほうに追いかける。
どこか不機嫌そうな奏斗先輩。
じーっと見つめてると不意にこっちを向いた奏斗先輩と目が合う。
ドキッ
「蓮輝と、何話してたの?」
え?
「あ、いえ特に何も!」
「・・・あっそ」
そう言ってムスっとする奏斗先輩。
え!?あっそって・・・、私なにか悪いこと言ったかな!?
怒らせちゃった??なんで〜(><)
せっかくの貴重な時間なのに!!
「か、奏斗先輩!お昼一緒に食べていいですか!」
「・・・勝手にすれば」
「勝手にします!」
決して嫌とは言わない奏斗先輩。
あ。。お弁当忘れた。
ああああああ!せっかくの奏斗先輩とのお昼タイムが、、
今から買いに行っても間に合わないし。
「仁奈ちゃんどうしたの??そんなに落ち込んで」
ふと、宮先輩がうつむいた私の顔をのぞき込む。
「あ、いや、お弁当作ってくるの忘れちゃって」
しょうがないか。今日はお昼抜きだ(泣)
「作るの忘れたって、仁奈ちゃん自分でいつも作ってるの!?」
「あ、はい。そうですけど、」
「へー!すごいね!!今度俺にも作ってよ!」
えっ!誰かに作った事なんてないんだけど、
「いいで「だめ」」
「え?」
いいですよ、そう言おうとした私の声に奏斗先輩の声が重なった。
「えー?なんでだよ、奏斗ー!」
不満げな、宮先輩。
確かに、奏斗先輩がダメなんてなんで言うのかな?
「知らね。けどなんか嫌なんだよ」
え??え?
それってもしかして・・・
「奏斗先輩!ヤキモチですか!?」
私が宮先輩にお弁当を作るのがいやって、そーゆうこと!?
「・・・調子のんなよ。んなわけあるかよ」
「・・・ご、ごめんなさい。。」
そうですよねぇ〜。
そんなことあるわけがないですよね(笑)
「ほら、それやるからもう戻れよ」
え!?
いつも奏斗先輩が食べてるパン。。
「いいんですか?けど奏斗先輩は、、」
「俺はいらねーから。食えば?」
「ありがとうございます!!」
奏斗先輩から貰っちゃったよぉぉ!!!
嬉しすぎる。。
「ほら、休み時間終わんぞ。もどれよ」
「はい!また来ます!」
「・・・もう来なくていい」
けど、来るなとは言わないの私は知ってるもん!
私が来ること分かってるから昼休みは教室に居てくれることもね。
本当は優しい。そういう所が好きなんだよなぁ。
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