あの日の記憶
本当の別れ1


目覚まし時計が鳴る。


時刻は8時を指していた。


あまり眠れ無かったせいか、目の下にはクマができていた。


それは、祐希もお母さんも同じだった。


今日はお葬式。


時間は昼の1時から。


嫌だなぁ…


私は昨日着た制服っぽい服を着て、家を出た。


昨日のお通夜した場所に着くと、お寿司やおにぎりが置いてあった。


お昼ご飯らしい。


私と祐希は昨日よりは元気があったので、ご飯を食べた。


うわぁ。あんまり美味しくない。


ご飯を食べるのを辞めて、スマホのカメラ機能で祐希と遊んで


お葬式を待っていた。


1時になり、お葬式が始まった。


昨日とほとんど同じなお経を聞いて


昨日と同じく来る人に礼をして


お経が終った。


やばい、泣けない。


そう思ったとき、司会の人のスピーチが入った。


内容は、お父さんの生きていた時。


それも、元気な時の話。


家族4人で海まで旅行をしたこと。


その時にお父さんに買ってもらったイルカのぬいぐるみは今もお気に入りのこと。


お父さんが私の手とお皿を間違えて焼きたてのお肉を乗せて私がやけどしたこと。


私とお父さんでプリクラに行ったこと。


他にも楽しかったことを思い出した。


でも…


その後の辛い時も思い出したから、やっぱり泣けない…


その後は、お父さんの棺に花を入れた。


そのとき、何故か涙が溢れてきた。


お父さん。


大好き。


ありがとう。


その後、お母さんと祐希が思いっ切りぎゅーってしてくれた。


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