癒し恋~優しく包まれて~
『いつか柊花が結婚するときにこの手紙をお父さんから渡してもらうようにしておくね。
柊花が選んだ人はきっとお父さんに似て優しい人だと思う。
夫婦はお互いに支えあっていくものなので、愛して愛されて、甘やかして甘やかされ、旦那さんのすべてを信じて、二人で幸せになってね。二人の未来が幸せになることを遠くからずっと祈っています。
結婚、おめでとう。』


読み終えたとき、涙が溢れた。

私は母の愛情に包まれて育ってきた。ううん、母だけでなく父の愛情にも包まれていた。

手紙は二人の愛情がいっぱい詰め込まれていた。


「お父さん。ずっとこれを保管してくれて、ありがとう」

「いや、少しでもお母さんの気持ちが伝わればいいんだけど」

「うん、充分伝わったよ」


涙を拭いてもう一度父にお礼を言った。


「柊花?」

「あ、終わった? ありがとう」

「それよりも泣いた? 目が赤いし、まだ涙が残ってる」


戻ってきた俊也さんが心配そうな顔で私の頬に手を当てる。


「うん、これ読んだら涙が出ちゃった。顔洗って、メイク直してくるね」


洗面所から出るとそこに義母がいた。
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