Pyua love ~そして真実~
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放課後

つい数時間前に、関係ないって思ったよね?

なのに・・・。

「絶対着いてきてるって・・・」

「うん」

私と夢花は、世界中にチェーン展開しているハンバーガーショップに来ている。

私達が来た時には、賑やかな店内だった。

それが、一気に静かになって、あちこちでコソコソと一点を見ながら囁く客たち。

店員さんもチラチラと見ていて、集中出来ないみたい。

この店に似合わない風貌の彼は、もちろん坂上君。

彼は、コーヒーを頼み静かに、難しそうな本を読んでいる。

「よし!ちょっと行って来る!」

夢花は、立ち上がると坂上君の傍へと近づいていった。

夢花が近づくと、本から顔を上げて夢花に視線を合わせる坂上君。

二人は、何か会話を交わしている。

でも、私のいる席からでは、その声は聞こえない。

聞こえてくるのは、周りの女子達の「何あの子?」「知り合い?」と言った、嫉妬のような声ばかりだった。

坂上君が、夢花に手を伸ばす。

何しているんだろう?

と私が思った時だった。夢花がくるっと向きを変えて、こっちに戻ってきた。

「志帆!ごめん あたし帰るね!」

「え!?どうしたの?」

「あたしは用済みって言われた。」

「え?ちょっとどういうこと?」

何で夢花はこんなに怒ってるの?

「うん 佐藤さんは帰ってくれないか?」

「ちょ・・・坂上君!?夢花に何言ったのよ?」

「志帆!あたし帰るね!」

「夢花!待って!私も行く!」

荷物を持って夢花を追いかけようとした私の腕を掴んだのは、坂上君だった。

「外山さんに話しがあるんだ。」

「何よ!夢花にひどい事言ったんでしょ?」

「場所を変えよう」

私の質問に答えず、着いて来いという坂上君。

私は、夢花にひどい事を言った坂上君に怒ってる。

今日は、ずっと着いて来るし、一体なんなの!?

絶対問いただしてみせる!

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