Pyua love ~そして真実~
―――――――――――――
―――――――――――――――――

放課後

僕は、加藤さんに捕まらないように学校を出ると、外山さん達を追う。

たった一日の出来事で、加藤さんがあのような行動を起こすのだ。
長引くのは外山さんにも、そして僕にも良くない。

だから、僕は外山さんに聞くことを決意した。

僕は、二人がハンバーガーショップに入ったことを確認すると数分遅れて入店すると、コーヒーを頼んだ。

二人は店の奥の4人テーブルで、ポテトを摘みながら、何か話をしている。

邪魔をしては悪いか・・・。
二人の会話がひと段落するまで待とう。

僕は、2人掛けのテーブルに座ると、本を読み始めた。

本を10ページ程読み進めた時

僕が座るテーブルの向こうに人が立つ気配を感じた。

僕が本から視線を移すと、そこには佐藤さんが立っていた。

「坂上君!ちょっといい?」

「あぁ 立っていないで座ったらどうだ?」

「ううん!このままでいい!すぐに済むから」

僕は本を閉じて聞く体勢を取った。

「今日、あたし達のこと尾けてたよね?あたし達じゃなくて、志帆をか・・・」

「あぁ・・・そうだよ?」

「なんで?」

僕にこんなに怒りの感情を向けてくる女子は珍しい。

なんだかとても新鮮な気分になる。

「探しているんだ。」

「探してる?」

「あぁ。」

僕は、佐藤さんに向かって手を伸ばすと気を送る。

ダメだ。

やはり、何も感じない。

「申し訳ないが、佐藤さんにこれ以上用は無いよ。」

「はぁぁあ?探してるって何を探してるのよ?」

「それを聞く権利は、もう君にはないよ。君はもう用済みだ。」

僕の言葉に一瞬目を見開いたかと思うと、佐藤さんは外山さんの方へと向きを変えて歩いていく。


「志帆!ごめん あたし帰るね!」

「え!?どうしたの?」

「あたしは用済みって言われた。」

「え?ちょっとどういうこと?」

二人の会話は、僕にもよく聞こえた。

だから僕は、二人に近づく。
本来、僕が話したいのは外山さんだ。

「うん 佐藤さんは帰ってくれないか?」

「ちょ・・・坂上君!?夢花に何言ったのよ?」

「志帆!あたし帰るね!」

「夢花!待って!私も行く!」

僕はとっさに佐藤さんを追いかけようとした外山さんの腕を掴んだ。

ここで帰られては、困る。

「外山さんに話しがあるんだ。」

「何よ!夢花にひどい事言ったんでしょ?」

外山さんは興奮しているし、周りの客からも注目を浴びている。

ここでは、話が出来ない。
そう思った僕は言った。

「場所を変えよう。着いてきて?落ち着いた良い店があるから。」
< 60 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop