恋人は魔王様
12.華麗なる捜査
重たい空気の中、はたまた、頭の痛いような話の連続で疲れ果てていた私は、食事も取らずそのままベッドに倒れこみ、朝まで眠りを貪った。

ちなみに、セーラー服はちゃんとクローゼットの中、いつもの定位置に収めてあった。

翌朝、私は重たい身体を引きずって学校に向かう。

「おはよう、百合亜」

私を見つけた笑麗奈が、おっとりした笑顔で私に声を掛けてくる。

「おはよう、笑麗奈」

私は挨拶を返す。

「どうだったの、昨日?」

「おかげさまで、まぁ、なんとか」

「何よ、その無難極まりない返事はっ」

笑麗奈がぷんっと頬を膨らます。

「だって、仕方がないじゃない!私のタイプってワケじゃなかったんだし。
でも、ほら。昨日は美味しいものが食べれて良かったわーっ。やっぱり笑麗奈のおススメのお店は格が違うわね」

きゃっきゃっと、強引に自分のテンションを「フツーの女子高生」レベルに押し上げてはしゃいでみせる。

「そう?そうでしょ、あそこランチもいいけど、本当はディナーが超おススメなの。今度行って見てね」

笑麗奈もようやく機嫌を直したようで、私はほっと胸を撫で下ろした。

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