恋人は魔王様
「キョウ」

話しかけてみたものの、何を聞いたらよいのか分からない。

「ユリア」

深刻な表情になっているはずの私に、キョウが言う。

「腹が減っては何が出来ぬって言うんだっけ?」

何故今それを聞く?!

私の感情を一切無視した国語の質問?

「戦よ、イクサ」

私のちょっと切れ気味の正当に、キョウはにこりと優雅な笑みを浮かべる。

「そうそう、それ。
だからさ、まずは美味しいものでも食べに行こう」

これだから美形はズルイ。
彼が甘い笑みを零して右手を差し出すと、それだけで私の心臓はどきりと跳ねるのだから。

「それとも、お腹空いてない?」

こんな表情で彼女を誘う俳優を起用してレストランのCMをやれば売上倍増間違いなし!、全該当企業の広報宣伝部が飛びつきそうな顔と仕草で、彼は私を見つめている。

当然、ターゲットの私がそれを断れるはずもなく。

「空いたわ」

と、彼の右手を掴むのに5秒も時間はかからなかった。



……私って、やっぱりパブロフの犬?!
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