桜舞い散るとき、キミは涙する
◆ミオとミク

「ここが秀明館高校かぁ」


昨夜『ミオ』について向き合うことを決心した私。

善は急げとばかりに早速行動に移し、『ミオ』についての情報を得るため、ここ秀明館高校へとやって来た。


立派な洋風モダン建築の校舎を、フェンス越しに仰ぎ見る。


校庭は私の学校の倍近くはあるだろうか。

見渡せる範囲にテニスコートだけでも、8面分併設されている。


「噂には聞いてたけど、やっぱりお金持ちが通う学校ってすごいんだな……」


圧巻の光景にポカンと口を開けたまま呆気に取られていると、校舎から授業の終わりを告げるチャイムの音が鳴り響いた。


「おっと、いけないいけない。のん気に関心してる場合じゃなかった」


キョロキョロと周りを見渡し、慌てて近場にあった電柱の陰に身を隠す。

とりあえずここで、お目当ての人物を待ち伏せすることにした。
< 68 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop