この恋が罪だとしても


『お前……』

『えっ?』


すると、沈黙は唐突に破られる。

男子は、雨空から視線を私へと向けていたのだ。

意志の強そうな、真っ直ぐな瞳、キラリと光る銀のピアスが印象的な人。


不思議と、視線を奪われた。


『……雨宿りしてるのか?……つか、そうだよな確実に』

『……あ、うん……。天気予報では晴れって言ってたから、傘忘れちゃって』


この人も、人と話すことに慣れてないような気がした。


あまり、友達が多そうじゃないというか……。


自分の気持ちを、素直に話せない、そんな私の雰囲気と似ている、勝手ながらそう思った。


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