この恋が罪だとしても


***


6月、あの出会いを思い出す……梅雨の季節がやってきた。

古典の授業中、私は頬杖をついて窓の外を見つめていた。

あの日と同じ……雨が降っている。

運命の出会いとは皮肉だな、私と泉くんは今、憎しみで繋がっているから。


運命と言えば運命。

奪った私と、奪われた泉くんという、悲しい繋がりだけが今の私たちを繋いでいた。


あの、穏やかな時間はもうきっと来ない。


「ひさかたの、雨も降らぬか、雨つつみ、君にたぐひて、この日暮らさむ」


ふと、古典の先生が和歌を詠んだ。

その和歌に『雨』が入っていたからなのか、音の響きが心地よかったからなのか……。


分からないけど、私は窓から視線を先生へと向ける。


< 57 / 262 >

この作品をシェア

pagetop