この恋が罪だとしても
*2章*

Episode3: *イチゴミルクキャンディ*

【梓side】


♪〜♪〜♪〜

翌日、私はいつものように音楽室で1人、ピアノを弾いていた。

ポロンポロンッと鍵盤から奏でられる旋律に、私はただ集中する。


今、この時だけ……私は、全ての柵から解き放たれたような気になれた。


一心不乱に弾いて、演奏が終盤に差し掛かった時……。


――ガタンッ。

「えっ……?」


聞こえた物音に、私はパタリと演奏を止める。

音楽室の入り口を見れば、閉まっている扉の磨りガラスの向こうに、人影が見えた。


「誰……?」


また、嫌がらせしにきた生徒?

それとも、吹奏楽部の人が朝練でもしに来たのだろうか……。

吹奏楽部の朝練は8時までには終わる。

だから私は、8時から授業が始まるまでの間、ここに弾きに来るんだけど……。

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