いつの日か、ここで。
プロローグ
───私は、

私は、あの日から、


信じていた。

世界のすべてを。



この世界はウソばっかりだ。

赤ちゃんはコウノトリが運んでくること、サンタクロースは実在すること、夜に口笛を吹くと化け物に出会ってしまうこと…

こんな年齢になり、今となればありえない事だと分かるが、幼い子どもたちは皆そんな所謂『迷信』に夢を持っているものだ。

もちろん私もそんな子どもたちの中の1人だった。


でも、大人になるにつれて…そういった、幼き日の夢を忘れてしまう。夢を持つという心をどこかに置いてきてしまう。それは、仕方の無いことだ。いくら忘れないでいようと頑張ったところで、何も変わることはないのだ。



でも…


何故か、私は違った。
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