転校生(Eijis' black worldⅡ)
「新堂…お前…」
俺は再び新堂に同情してしまった。

黙り込んだ新堂を慰めようと近づいた時、俺は異変に気が付いた。

「クスクスクスクス……。」
新堂はうつむいたまま笑っていた。

俺が何がなんだか理解できず、呆然としていると、後ろでカイトが叫んだ。

「エイジ!そいつから離れろ!」

俺はその声に咄嗟に反応してバックステップした。

ふと新堂を見ると、彼女は禍々しい空気を発していた。

「クスクスクスクス…。私を封じてたと本気で思っていたなんて、おめでたい子ね…。まぁこんなバカな子だから利用し易かったんだけどね♪」

そう言って顔を上げた新堂は俺の知っている彼女とは違った。

喋り方も振る舞いも高貴な感じで、一見どこぞの御嬢様の様な雰囲気をかもし出していたが、その瞳の奥に深い闇を宿していた…

「新堂、なのか…?」

目の前の少女が新堂であるという事実を俺は信じれなかった…。
そして、それと同時に変貌を遂げた新堂に恐怖した。
「こりゃあ、まるでウィルスやな…元々の人格を支配しとる…こんな事があるなんてあり得へん…」

カイトですら恐れ戦いている様だった。

「ウィルス…あなた、なかなか上手い事言うじゃない。」

新堂がほくそ笑みながら言った。
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