年下彼氏とSweet Life


誕生日、俺は、都内のホテルを予約した。

一生に一度だから、もっと素敵なシチュエーションを演出したかったが、高校生には、これが精一杯だった。


俺も泉も、初めてだから、緊張していた。

しかし、泉の身体にふれると、それは俺の手に吸い付くように、自然に愛することができた。

今まで、知っていたいろいろな知識なんて、何処かに飛び去り、お互いの身体を愛し合う行為だけだ。

泉の中は、俺のそれにぴったりで、なんともいえない幸福感を感じていた。

泉もそうであって欲しい。


とうとう、泉を自分のものにできた。

世界一の幸せ者だ。

これで、俺は、将来へ迷うことなく進んでいける。

と同時に、泉へ対する責任をも負うことになる。それさえも、やる気に転じられそうだ。


そらからの俺は、がむしゃらに勉強をした。受験を失敗することは、泉をさらに待たせることにつながるから、必ず合格しなければならない。

その一念だった。

翌々年、3月、俺は、なんとか医学部に合格できた。
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