年下彼氏とSweet Life


オーストリアは、ドイツ語が公用語だ。私は、ドイツ語が余りわからないから、先生とは、英語でコミュニケーションをとるしかない。

音楽に関することは、さほど困らないが、その他のことは、身振り手振りだ。

シュナーベル先生は、余り弟子をとらないらしい。

まあ、現役のピアニストだから、自分のレッスン時間も、必要だろうし。

父と違って、ダイナミックな解釈だ。大きな心で音楽を捕らえ、表現する。しかし、演奏は、とても技術がしっかりしていて、素晴らしい。

大きな指が、白鍵や黒鍵を滑るように左右に動くのが、見ていて、わくわくしてくる。

オーストリアに来て、本当によかった。きっと一生忘れない。


背中を押してくれた聖に、感謝だ。


メールでそう伝えると、帰国したら、ご褒美が欲しいと、ねだられた。

< 62 / 103 >

この作品をシェア

pagetop