イヌの幼なじみ

幼なじみ記念日

久しぶりに慣れないことをすると疲れるものだ。

とくに「ありがとう」なんて二回目だ、使うの。

「拾ってくださいな。」

「…なんだ、これは」

公園の入り口にダンボールに入ったイヌとやらがいた。

「おい、シカトするな。」

「シカト?鹿となんですか?」

ヒマリが首を傾げると

イヌは突然ダンボールを抜け出した。

「俺を拾え。今日からお前の親は俺だ。」

ヒマリの親はお母さんとお父さん。

あれ、でもお父さんってどんな顔だったっけ。

少なくともこんなイヌ顔ではなかった。

そもそもイヌはイヌ語ではないのか。

「イヌはニンゲン語を喋るのですか」

「そこかよ。」

そこじゃなければどこ?
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