キャンディー
それから2次会へ行ったものの、「大澤洋」の事で頭が いっぱいだった。



新郎がお酌をしに、私の元へ寄ってきた。



「今日は、来てくれて、ありがとね!飲んでる?」



「ありがとう。でも、もぅお腹いっぱいだから…」



「そっか。…でも、まるで別人だよね!すっげービックリしちゃったよ!」



「女優みたいに 綺麗に なっちゃって…」



「ありがと。普通に痩せただけなんだけどね」



「式の間も、ゆりえチャンに目線がいくんだよー。ある意味、花嫁より綺麗だもんね」



「あの時に戻れるなら…絶対OKしてたのになぁ」



彼は小声で言った。



私は 一瞬こめかみが ピキッ!と鳴ったのが聞こえた。



「それは、ありがと。でも、あなたに言われても、1ミクロも、嬉しくないわー」



「彼女を泣かせるような事は しないようにね。お幸せに…」



私は 哀れむ目で彼を見ながら 吐き捨てるように言って、早々と、その場を立ち去った。
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