苦く 甘い香りのふところ
「で?なにイライラしてんの?」
「は?」
「私が気づかないとでも思った?あんたの顔見て、わからないことなんてないわよ。結構長いんだからね、咲人とあって」

「………別に」
「杏ちゃんとなんかあったんでしょ」
「ッグフッ、ゲホッ、ゴボッ、ゴホッ」
おれは、飲んでたジュースを吹き出しそうになり、むせた

「あら、わかりやすいわね、そういうとこ、さとるくんそっくりだわ、2人とも優しいから、嘘が下手くそなのよ」

「そんなこと…」
「さとるくんのためなんでしょ?足を洗わないのは」
「は?」
「さとるくんが死んで、兄のためにも、続けなきゃって思ってる?それは違うよ。さとるくん言ってた。あんたが、族に入る前に、兄貴のおれがやめて、あいつには普通の道に進んで欲しいって」

「嘘つけ!」
「ほんとよ、私の目を見てみな、今までに嘘ついたことあったかしら」
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