冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「はい。なにか?」

「兵士たちの食事は行き届いているのか?」

「はい。リリアーヌさまが頑張られたおかげで、たっぷりと蓄えがございます。それに、兵士たちを今までになく手厚くもてなしていることが街に広がり、たくさんの食べ物が届くようになりました」


それは初耳だった。


「皆、王太子さまとリリアーヌさまに感謝しています」


コールの言葉を聞き、私はシャルヴェさまと顔を見合わせて微笑んだ。


「コールも少し休んでね。できることは私がするから」


今度は私が声をかけると、コールはにっこり笑って「大丈夫ですよ」と出ていく。


「さて、いただくぞ」

「はい」


彼と一緒というスパイスは、どんな味付けよりもおいしかった。
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