冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「あの……ずっと、と言いますと?」

「その声、リリアーヌとは思えぬ」


王太子さまがふと頬を緩めるのがうれしかった。
コールが笑わない人と言っていたけれど、本当はこんなに優しい笑みを見せてくれる。


「お前は昨日目覚めるまで、三日三晩眠り続けていた。その間、ずっとうなされ、苦しげだった」


だから、こうして添い寝までしてくれたの?


「私が無謀なことをしたばかりに、すみません」

「無謀な行為は二度と許さん。だが、大切な民を助けてくれて、ありがとう」

「王太子さま……」


まさか感謝の言葉をもらえるとは思ってもいなくて、胸がいっぱいになる。

それに、国民のことを大切にしていることがわかった瞬間、やっぱり彼に恋をしたいと思った。

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