甘い媚薬はPoison
ブチッとスマホを切り、愛梨に電話をかけるが何度かけても繋がらない。
妙な胸騒ぎがした。
「どうしたの?さっき話してたのおばさんでしょう?愛梨ちゃん、何かあったの?」
電話の声が聞こえていたのか、歩が心配そうに聞いてくる。
「愛梨がまだ帰ってないらしい。会社に行ってくるから、何かあったら連絡してくれ。愛梨が来るかもしれないから」
俺はマンションの駐車場に向かいながら杉山に連絡を入れた。
「杉山、深夜に悪い。愛梨がまだ家に帰宅してないんだがお前居場所知らないか?」
『僕が帰る時は愛梨ちゃんの姿見なかったけど、彼女が帰る姿も見てない……かな』
杉山が記憶を辿りながら俺の質問に答える。
「そうか。携帯も出ないし、念のため会社に行って確認してくる」
そう言って杉山との通話を終わらせると、車を運転して会社に向かった。
会社に着くと、杉山も愛梨のことを心配してか会社に来ていた。
俺が息急ききってオフィスに入ると、杉山が慌てた様子で報告する。
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