甘い媚薬はPoison
私は祖父のプレゼントに心から喜ぶと、香水の瓶をまじまじと見つめる。
その日は私の十歳の誕生日で、世界的に有名な調香師だった祖父は、香水を作って私にプレゼントしてくれた。
その香水の名前は『アイリ』。
私の名前にちなんで祖父が名付けた世界にひとつしかない香水……。






それから十二年後……。
「蓮く~ん、お弁当作ってきたの。一緒にお弁当食べよ!」
ガラス張りの社長室のドアをノックせずに開けると、私は目の前にいる美形に声をかけた。
朝比奈蓮、二十六歳、IT企業の社長で独身。身長百八十二センチ、さらさらの黒髪に、漆黒の瞳が印象的なクールビューティーという言葉がピッタリのイケメン。
優くんは日本の最高学府の大学を首席で卒業後に同じ大学の友人と共に『株式会社ユニヴェール』を設立した。
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