未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。



1階のロビーでは、検査用の血液を抜いた央子と茉優ちゃんが待っていた。



悠聖が自分の血液の採取が済んだ後にどうしても咲雪の傍に行きたいというので、央子と茉優ちゃんの二人が採血されている間に行ってきたのだ。



本格的な骨髄の適合試験は提供者側にかなりの肉体的負担と金銭的負担がかかる。


でも、簡単な血液検査だったらそんなには負担もかからないし結果も早く出る。


その血液検査で提供者となれるかもしれないという可能性がある人には、後日改めて本格的な骨髄の適合試験が行われるのだ。




「あ、圭祐君。二人してどこ行ってたの?」


「ああ。ちょっとね、悠聖がどうしても咲雪の所に行きたいって言うから連れて行ってたんだ」


俺がそう答えると二人はやっぱりと言いたげな顔になった。



「だと思った。今も茉優と多分そうだろうねって話してたのよ」


央子は早速茉優ちゃんと仲良くなったようだ。



「先輩、咲雪、どうでした?」

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