未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。




朝の薄い光が窓からあたしの部屋に流れ込む。


薄暗い部屋の中を少しずつ明るくしてゆくのを、あたしはぼんやりと眺めていた。



寝返りをうって枕もとの目覚まし時計を見ると朝の7時前。



ああ、そろそろ起きなきゃ。




一階からは、コーヒーをいれる匂いとベーコンを炒める香ばしい匂い。



きっとお母さんが昨日の夜遅くまで仕事だったから、お兄ちゃんが早起きしてみんなの朝ごはんとお弁当を作ってくれてるんだ。


だって、お兄ちゃんが朝ごはんを作ってくれるときはあたしの大好きなベーコンエッグを必ず作ってくれるから。





「おーい、お二階サーン。ごはん出来たぞー」


「ほいほーい♪」



お兄ちゃんの呼ぶ声が聞こえ、それに続いてお母さんが歓声を上げながらあたしの部屋の前を通って階段を降りて行く音が聞こえてきた。

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