常世(とこよ)の花嫁様

帰れぬ訳

夜鬼『お前さ、人間だけど、生きてんだろ?』

塔子「...そうだね、普通に生きてるね。。。」

夜鬼『ダメなんだわ、生きてちゃ。言ってる意味、わかる?』

ーーーそれって?
あぁ、そう言えば現世の妖も、人間は死んで行く世界って言ってたーーーだからかな?

夜鬼『この世界は人間からしたら、ただの通過点みたいなもんだから、、、死んだら肉体は現世に残し、魂だけがここを通って黄泉の国に行く。それが本来の流れ、お前はその流れを完全に無視してここに居るって訳』


塔子「じゃ、じゃあ、この常世には、生きた普通の人間っていないの?」

夜鬼『いねーよ。魂が迷って、そのまま居座ったってケースはあるし、もしくは、人が妖化してここにやって来て、住んでるってパターンとか色々ある事にはあるけどな』

塔子「...じゃあ、私1人ここにいる事自体、場違いって事だね。。。」

夜鬼『妖の腹の中で常世に来る、まず、ミラクル1(ワン)
そして、ここで蘇生した、ミラクル2(ツー)
だから、黄泉の国からも拒否られて、本来の現世にも帰れねぇって言うのが、、、今のお前の現状ーーーわかる?』

ふぅ、と全部言い終えて、ふるふる肩を震わせる夜鬼、、、
塔子「な、なによ!?」

自らの大きな手で、自分の顔を覆い隠すーーー

夜鬼『くくくっ。。。
蛙の腹に入って登場とか、イレギュラーすぎだろ!?、、、まぁ、救っちまったのは、俺だけど、、、
あれはマジでビビった、くっせーしよ!!!ないわー』



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