【続】Slow Magic~その後の2人~
  

母親が家を出たのは、俺がまだ小学生の頃だった。



俺は世の中の汚い部分を見てしまった。



人間には、表と裏があること。

笑っていても、その笑顔には何か隠されていること。



優しい言葉をかけてくれる人を信じて、何度も裏切られた。





友達のお母さんが、俺の母親のことを

影でいろいろ言っていたこと、俺は知ってる。





人は、信じちゃいけない。




俺は、無理矢理自分にそう思わせることにした。



だってさ、裏切られて悲しむ前に、信じない方がまだ楽だ。




だから、俺は外見や、うわべで人を好きにはならない。





時間をかけてゆっくりと…





そんな俺を理解して、信じさせてくれたのが

俺の隣にいる、この彼女。



美亜だ。





「うぜーよ、お前。」



こんなことを言う俺に、笑顔を向ける。





< 54 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop